
2016年10月23日(日)の「平成28年度 自衛隊記念日 観閲式」本番
陸上自衛隊の観閲行進は、残るは高射、特科、戦車部隊です。
敵航空機や飛来する誘導弾(ミサイル)を迎撃する「高射特科部隊」です。
近距離目標に対応する、93式近距離地対空誘導弾です。
高機動車荷台部分に、91式携帯地対空誘導弾を
4発格納したコンテナを2基搭載しています。

自衛隊観閲式初参加の、11式短距離地対空誘導弾です。
81短SAMの後継として制式化された装備で、
巡航ミサイルなどへの対処も可能となりました。
アクティブ・フェーズド・アレイレーダーが採用され、
誘導弾格納容器も横一列になって、扱いやすく単純な構造になっています。
航空自衛隊には基地防衛用で、高機動車搭載型が配備されています。

陸上自衛隊で最も射程の長い地対空誘導弾の、03式中距離地対空誘導弾
重装輪車後部に、誘導弾6発入りの格納容器が搭載されています。
牽引式のホーク改に比べて、自走式になっているため、機動性が高いです。
国内で射撃訓練ができないので、アメリカに運んで実射しています。

03式中距離地対空誘導弾小隊として、6車種1システムになっています。
この車両は、射撃統制装置や、それと繋がる幹線無線伝送装置とも違う様な。
微妙に高機動車後部の形状が異る様に見えます。

その後を、03中SAMの射撃レーダー装置と、レーダー装置信号処理兼電源車
誘導弾運搬装填車は参加されてませんでした。

いかにも砲門が付いていて、戦車の様な見た目の車両はみんな大好きです。
誘導弾ではなく、弾丸を上空へ撃ち出す機関砲搭載車両です。
87式自走高射機関砲4両による行進です。

74式戦車ベースの車体に、35mm機関砲を2門搭載しています。
砲塔部分には、様々なレーダーやセンサーを搭載しているため、
戦車よりも高額な対空機関砲になってしまいました。
配備数も少なく、関東では富士学校か下志津の高射学校でしか見られません。
広報センター(りっくんランド)でも、試作車両が展示されています。

榴弾砲や地対艦誘導弾などを装備する「野戦特科部隊」の行進です。
31/2tトラックに牽引されているのは、155mm榴弾砲FH-70です。
今でも陸上自衛隊の主力火砲ですが、新防衛大網で削減されて、
開発中の装輪自走式榴弾砲へ、更新されていく予定です。

地対艦誘導弾小隊の行進です。
新旧の地対艦誘導弾が参加していて、この光景も最後かもしれません。

航空自衛隊の80式空対艦誘導弾を地上発射式にした、88式地対艦誘導弾です。
日本の国土形状に合わせて、内陸の山陰から発射後に洋上艦艇を撃破します。
7tトラックに誘導弾発射機を搭載して、発射体勢は垂直でなく斜めです。

こちらも観閲式初参加の装備の、12式地対艦誘導弾です。
03中SAMと同じく重装輪車ベースの車体に、
誘導弾6発入り格納容器を搭載しています。
88式SSMにGPSを搭載して、命中精度を上げています。
発射体勢も、03中SAM同様に垂直なので、発射方向が限定されません。

多連装ロケットシステムMLRS、4両の行進です。
アメリカ開発の自走式ロケット弾発射装備で、
後部コンテナには、6発入り格納容器を2基搭載しています。
敵上空でロケット弾が飛散して、小さな弾頭を地上に降らせるタイプが、
クラスター爆弾禁止条約後から、日本は使わなくなりました。
そのため、MLRSを装備している優位性が減ってしまいました。

現在では最新の自走榴弾砲、99式自走155mm榴弾砲です。
足回りやエンジンなど、
多くの部分に89式装甲戦闘車の物を流用して、開発コストを抑えています。

FH-70と比べて、自走式で機動性があり、
進入から発射可能までの展開がとても迅速に行えます。
通常弾でも30kmの射程と、3分間で18発の射撃が行なえます。

車両部隊最後は、陸上戦闘の要となる「戦車部隊」です。
最新の10式戦車を先頭に、多くの戦車小隊が行進します。

90式ではなく74式戦車の後継となる、10式戦車です。
前方から多数の戦車が行進している姿は、圧巻ですよね。
主砲射撃時の衝撃を緩和するサスペンションや、高性能な砲安定装置で、
高速走行時でも、高い命中精度があり、訓練展示などでも見られます。

この独特の装甲は交換が可能なモジュール式で、爆発反応装甲も搭載可能です。
90式戦車同様に、セラミックや鋼板を重ね合わせた複合装甲です。
何と言っても、現代戦で重要な情報共有がシステムの、C4Iにより、
航空機や各装甲車両などともネットワーク連携ができます。

北部方面(北海道)に集中配備されている、90式戦車です。
74式戦車に次ぐ、国産三台目の戦車です。
74式の鋳造構造の砲塔から、溶接構造の複合装甲になりました。

自動装填装置で砲弾を装填するため、装填手がいなくなりました。
90式ではまだ、ドイツのラインメタル社の120mm滑空砲を使用し、
このライセンス生産での技術蓄積で、10式戦車は方も国産化しました。
戦車部隊は以上で、残念な事に74式戦車は行進に参加しなくなりました。
世代交代により、様々な装備がなくなり、更新されていきます。
車両行進は終わり、米軍による祝賀行進へと続いて行きます。
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