
2016年10月23日(日)の「平成28年度 自衛隊記念日 観閲式」本番。
いよいよ、陸上自衛隊と一部航自衛隊の、車両部隊行進が始まります。
予行と本番を混合して、分かりやすい様にお伝えします。
96式装輪装甲車が先頭で、「国際派遣部隊」の行進です。

国際派遣部隊の車両は、画像の軽装甲機動車の様に、
装甲や防護板などが追加され、強化された仕様になっています。
車上の搭乗員の、電線などによる負傷防止で、ワイヤカッターも付いてます。

観閲式に初参加の、輸送防護車です。
オーストラリアの、ブッシュマスター装甲車を輸入購入しています。
MRAPと呼ばれる、IED(即席爆弾)や地雷に対応した車両です。
V型の底部で、下方向からの爆発を、左右に逃がす構造になっています。

先行して、宇都宮駐屯地の、中央即応連隊に4両配備されています。
今年、車両自体は宇都宮・練馬・火力演習などで公開されています。
車上に、5.56mm機関銃MINIMI搭載状態は、初めて見ました。

「偵察部隊」の行進。
地上偵察の際に、小型で機動性に優れた働きをする、偵察オートバイです。
ホンダ車両から、現在はカワサキの車両へ更新されています。

威力偵察を行う、主砲に25mm機関砲を装備した、87式偵察警戒車。
偵察オートバイの情報を元に、装甲化された車両でより敵近くに前進して、
機関砲や同軸機関銃で応戦しながら偵察します。

「普通科部隊」の行進が開始。
89式装甲戦闘車は、戦車の様な見た目ですが、機甲科ではなく、
強力な機関砲を搭載した、普通科の兵員輸送車です。
35mm機関砲や、79式対舟艇対戦車誘導弾を搭載しています。

先頭を行進していた、96式装輪装甲車です。
この車両には、96式40mm自動擲弾銃が搭載されています。

こちらは、12.7mm重機関銃M2搭載です。
両方共、徒歩部隊を支援する強力な火器で、
擲弾銃は車両へも攻撃可能な、グレネードランチャーです。
M2は非常に信頼性のある機関銃で、対空射撃も可能です。

高機動車に牽引されているのは、普通科部隊最大の火砲、120mm迫撃砲RT
通常弾でも約8kmの射程があり、放物線を描いて敵上方から攻撃します。
装甲の薄い車両上部へ、対戦車迫撃砲弾を撃ち込めば、装甲車両も撃破可能です。

96式多目的誘導弾システムで、戦車や船舶へも攻撃可能な装備です。
高機動車搭載で機動性もありますが、システムが高価過ぎて、
全国の普通科部隊へ、多く配備する事ができませんでした。

それに変わって教訓を活かして開発された、中距離多目的誘導弾
後部コンテナには6発の誘導弾が収納され、
標定・誘導・発射を1両にまとめられています。
赤外線・レーザー・慣性誘導を併せ持ち、隊員の生存性も確保された装備です。

「即応予備自衛官部隊」です。
高機動車に乗車した隊員達は、非常勤の国歌公務員で、
防衛・災害などの招集時には、第一線部隊の隊員達と共に活動します。

決められた日数の訓練も行い、通常は一般企業に務める方々です。
災害派遣時にも招集されるため、
後続には資材運搬車や野外炊具を牽引した車両が行進しています。

「予備自衛官部隊」です。
非常時には、出動した隊員に代わって、駐屯地の警備などを行います。
予備自衛官・即応予備自衛官・予備自衛官補と、3つの制度があります。
予備自衛官制度について(陸上自衛隊サイト)

「施設科部隊」です。
掩体構築や道路の整備などの土木から、
地雷などの障害処理などを行う部隊です。

92式地雷原処理車は、73式牽引車をベースに開発され、
後部には、2発の処理ロケット収納の、コンテナを搭載しています。
ロケットに繋がれたワイヤーに、多数の爆薬を接続して、
地雷原へ落下後に、起爆して障害処理を行います。
火力演習や東千歳駐屯地などで、ロケット投射が実際に見られます。

81式自走架柱橋は、架柱のある橋を河川に架けて、車両を通過させます。
1両で10m、1セット60mの橋を構築します。
対応重量が42t以下なので、74式戦車までなら通過可能です。

92式浮橋は、7tトラックに河川に浮く橋を搭載しています。
画像のは橋節運搬車で、河川に投下した橋節を、
動力ボートで押して橋として並べます。
この装備は、60tまで通過可能なので、90式戦車も使用できます。

07式機動支援橋は、最新の架橋装備で、画像は橋節を供給する架設車です。
ガイドビームを対岸まで伸ばし、そこへ橋節を乗せて繰り出していきます。
最大60tまでの、車両が通過可能な橋を構築します。

こちらが、07式機動支援橋の橋節運搬車です。
もう一つ、ビーム運搬車があって、3種類がセットで橋を架けます。
最大で60mの橋を架けられ、81式自走架柱橋とは異なり、
架柱を必用としないので、柱設置部分に影響されずに橋が作れます。
施設科までですが、この後も車両行進は続きます。
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