
3月5・6日(土,日)で陸上自衛隊 広報センター(りっくんランド)で
「スプリングフェア」が開催されました。
大型トラックの体験搭乗や、
野外炊具によるカレーライス体験喫食など充実した内容です。

今回の目的は「装備品展示」にあります。
装備品展示自体は好例ですが、展示される内容が貴重な物です。
こちらの屋外広場で行われていた体験喫食会場を通過して、
その先の第2駐車場へ向かいます。

前回、お知らせしていた「輸送防護車」通称「MRAP」です。
広場と第2駐車場との間では、
「94式除染装置」と「除染車3型」が展示されていました。
防護服を装着した隊員の方が車両前に立っていました。
化学科装備は大宮駐屯地の化学教導隊から来られました。

この輸送防護車は海外での国際支援活動を多く行っている、
宇都宮駐屯地の「中央即応連隊」に配備されています。
現在は4輛全てが即応連隊で運用されています。

車両自体は国産ではなく、オーストラリアから購入した車両で、
「ブッシュマスター」と呼ばれる装輪装甲車です。
タレス・オーストラリア製です。
最大の特徴は邦人輸送などで、
内部の人員の安全確保に優れている車両だという事です。

後部から見ると確認しやすいですが、
車両底部が「V型構造」になっています。
これは地雷やIEDなどの即席爆弾が車両下で爆発した際に、
爆風を左右へ逃がして車内を守るための構造です。
防衛省技術研究本部でも研究されている技術です。

側面からも確認できます。
タイヤは自衛隊車両でも使用されているコンバットタイヤで、
パンクしても内部の金属車輪で走行を続けられます。
国際規格のタイヤなでの、
陸上自衛隊でも「重装輪回収車」や「03中SAM」に使われています。

燃料タンクは通常は車体下や内部にありますが、
爆風による誘爆を避けるため外部側面に設けられています。
万が一、爆発しても燃料タンクだけ吹き飛ぶという事です。
分厚い樹脂素材でできていて、
被弾しても樹脂の再現性で燃料の流出をある程度防げます。

燃料タンクが無くなっても、
内部には予備のタンクがあるため走行できます。
他の自衛隊車両にも見られる「ワイヤーカッター」も、
車体上部に設置されています。
こちらは撤収作業で車止めとワイヤカッターを外している所です。

後部の大きな扉から乗降しますが、
自衛のために上部ハッチから射撃などを行えます。
5.56mm機関銃の銃座が設置されています。
軽装甲機動車に見られる構造ですね。

エンジン音はディーゼル特有の音ですが、静かな印象でした。
排気は右前輪の後ろに確認できます。
連隊の方に聞きましたが、内部はとても広くて快適だそうです。
不整地での走行も、
3t半トラックのサスペンションよりも全然、良い様です。

スプリングフェアは15時までで、
車両展示も時間と同時に撤収が開始されます。
化学部隊の車両も輸送防護車が離脱した後に帰って行きました。

4月3日(日)には「宇都宮駐屯地 創立56周年記念行事」があります。
今回の様な展示かは未定ですが、
なんらかの形では展示を行うとの事です。
観閲行進での姿が見られたら理想です。
今年の中央観閲式は陸上自衛隊ですので、
そこでは観閲行進や展示が行われるのではと思います。
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